Tuesday, June 22, 2004

夢のはじまり・・・

夢のはじまりに私は山にいた、
そう、冬のスイスあたりの雪山に。

あたり一面は吹雪で、
なにも見えない。
ただひたすら登っていく。

私の前後に数人の男が、
吹雪の中を進んでゆく影。
どうも私はこのパーティーの一員らしい。

吹雪はほっぺたに鋭く容赦なく刺さり、
もう痛さも感じない。
足元は膝までの雪の中を一歩一歩、進む。

突然、
目の前に大きなロッジが現れた。
二階建ての立派な丸太作りの。

男たちはどこへ行ってしまったのか、
ひとりロッジの入り口に立つ。
雪のせいではない異様な寒気に震えた。

入ってはいけない。

それでも私は玄関を開け、
そして階段を駆け足で一気に上がる。
ひとつ ひとつ 部屋のドアを開けた。

ガランとなにもない部屋。

ほっとして胸をなでおろし、
また階段を、
でも今度は駆け下りた。
あの地下へと。

そう、ここから私の寒気はやってくる。

ただ ひとつだけのドア。
ただ ひとつだけの部屋。

思い切ってドアを開けた。

・・・あっ!

早く逃げなければ!
早くここから出なければ!
手遅れになる前に・・・!

駆け下りてきた階段を必死で駆け上り、
玄関のドアを開け、
雪が頬を刺す。

再び開くことがないように、
ドアを強くバンッと閉めた。

今もまだ吹雪いて止まぬ雪。
体が凍え始める。
ドア二モタレナガラ。

「どこへも逃げはできないよ」

はっ、として、

隣に男がいつの間にかニヤリと
不気味にほほ笑んだ。
ああ、もう終わりだ。

絶望的な真っ白な雪の中、
ふと手を見た。

見慣れない赤い指輪が溶け出し、
私は溺れそうになる。
そして、雪は静かに止んだ。