エルサレムに海を作ろう - ためいき
いろんなことがあって、
なんだか溜息の出る日々が続いて。
イスラエルに生きる。
いつもどこかに悲しみがひょいと顔を見せて、
私たちをあざ笑う。
そしてその悲しみが薄らいで、
また笑顔に戻るころ、
また新たな次の悲しみがやってくる。
それでも毎日は何も変らずに過ぎてゆく。
だからイスラエルは海に面しているのだろうか。
地中海の暖かな母なる海がなければ、
きっとこの国はカラカラに渇いてしまう。
渇いて渇いて人は水を求めて彷徨い
豊かな土地を、いのちを奪いあう。
海の中では政治も何も関係ない。
子供たちは無邪気に遊んで、
大人たちもあの頃のように魚と波と戯れて。
だからやっぱりこのエルサレムにも
海を持って来るべきだったよね。
そしたらみんなケンカなんかしないだろうにね。
豊かな水のある街は
そこに生きる人の心をも潤し、
いのちの大切さを受け継いでゆく。